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最適な条件にしておこう

 「自動車保険」と聞いて、真っ先に思い出すのが社員の交通事故。
 私はそのころ、ある中小企業の総務担当でしたが、会社所有の車の台数が多く、小さな事故が頻繁にありました。ある時は、わたし専用のローレルを専門学校卒業したての社員に貸したところ、前方不注意で追突、幸い、人身事故にはならなかったのですが、愛用のローレルはお釈迦。古い車だけど、愛着のあるクルマ。しかし、社員も相手も怪我がなかったのは幸いでした。
 台所事情の苦しい中小企業にとって、車に限らず、保険金というのは節約したい科目の筆頭です。いつ起こるかわからない事故に対して、高額の保険金を支払うのは、目先が苦しい経営基盤だけに、ややもすると、削減したい項目なのです。
 私はこのとき、この事故を機会に、会社が加入している自動車保険を見直してみました。度々訪問してくれる保険会社の営業マン、普段は、いい加減にあしらっていたのですが、今度はこちらから呼んで来てもらい、じっくりとレクチャーを受け、最適な提案をしてもらい、できるだけ、掛け金も節約するように検討しました。
 要点は、
  1。被害者補償・賠償を充分に
  2。運転者・搭乗者に、もしものことがあった場合の会社としての責任
  3。自分の車は壊れてもしようがない。

     その矢先でした。得意先と打ち合わせに出かけた女子社員が、右折しようとして交差点に進入したところ、直進してきた小型トラックに激突、乗っていた軽自動車は大破、社員は脳挫傷により、数日間は死ぬか生きるかの瀬戸際という大惨事でした。
     幸い、生命は取り留めたものの、労働基準監督署に出向いて労災を認定してもらい、保険会社に連絡して後始末に奔走・・・後始末の奔走は保険会社がやってくれましたね。
     優秀なあの女子社員は、記憶を失い、ちょっとした足し算・引き算も出来なくなるし、歩行も困難なほど、肉体にも後遺症が残って、とても会社業務に復帰することは難しい状態でした。お母さんと二人で暮らしていたのですが、生活費や治療費は労災が面倒を見てくれました。そのほかに、会社が加入していた任意保険から、定期的に補償金が支給されました。

     彼女はその後、障害者の授産施設などに通い、かなり回復したようですが、私は、後事を託してその会社を退職しました。その後の連絡によると、会社に在籍したままでは、障害者としての扱いに中途半端な面があるため、退職の手続きを取ったということでした。退職の際には、保険会社から相当の補償金も出たようです。彼女にとって、障害を背負って生きてゆくことはたいへんなことでしょうが、それなりの経済的な後ろ盾を得て、以前のような彼女らしく、前向きに生きていることだろうと思っています。
     
     個人と会社との違いはあるだろうけど、保険というのは高い買い物。それだけに、内容をしっかり把握し、最適な条件にしておかなければなりません。

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